科学技術イノベーション政策の推進のためには、最先端の科学技術動向の把握と先見性のある将来展望が不可欠です。当研究所は、科学技術をベースとした将来展望の継続的な実施に加え、新しい予測手法の開拓に取り組んでいます。あわせて、各領域・分野で起こりつつある世界の先進的な科学技術動向について、定量的分析や外部専門家の知見に基づく定性的分析を行っています。
科学技術予測
日本では、科学技術及び科学技術と将来社会との関わりを見通すため、1971年から約5年ごとに大規模な科学技術予測が継続的に実施されており、第5回調査(1992年)から当研究所が実施主体となっています。その目的は、科学技術イノベーション政策・戦略の立案に向けた検討のためのエビデンスを提供するとともに、アカデミア・産業界・ファンディング機関などが将来像を検討するための基盤を提供することです。
当研究所の科学技術予測は、今後30年間という中長期の未来展望であること、多数の専門家が参加すること、及び、科学者・技術者といったシーズ側の視点だけでなく、需要側の視点や人文・社会科学の専門家の視点も取り入れた広範な議論を行っていることが特徴です。
デルファイアンケート、シナリオ作成、ワークショップなど複数の手法を組み合わせ、目指すべき社会の姿を描き、その実現に貢献する科学技術や社会システム等を抽出する試みを続けてきました。併せて、今後必要と考えられる新しい手法開拓にも取り組んでいます。
また、予測活動に関連する国際ネットワークを強化するため、国際プロジェクトへ積極的に参加し、海外からの講師派遣などの要請にも応えています。こうした活動によって、この分野で世界を常にリードしています。
調査研究成果
科学技術予測調査
第5回調査(1992年)以降、科学技術の広範な分野を対象として中長期的な発展方向を見出すための大規模調査を5年ごとに行っており、2019年に第11回調査を公表しました。2022年より、12回目に当たる大規模調査を実施しています。
第12回科学技術予測調査の概要
社会と科学技術との関係性に複雑化・複合化の度合が増している近年の世界的な状況を踏まえ、社会的な視点や分野横断的な視点を強化して調査を行っています。調査は、ホライズン・スキャニング、ビジョニング、デルファイ調査、シナリオの4手法の調査から構成されています。
(説明資料はこちら)
[報告書]
[概説レポート]
- 第12回科学技術予測調査 ビジョニング-個々人の多様な価値観に基づく「ありたい」未来像の共創-[STI Horizon, Vol.9, No.4 / 2023.12]
- 第11回科学技術予測調査ST Foresight 2019の概要(2019.11)
- 第11回科学技術予測調査 ST Foresight 2019(速報版) -「人間性の再興・再考による柔軟な社会」を目指して-(2019.7)
- 第11回科学技術予測調査 S&T Foresight 2019 総合報告書[NISTEP REPORT No.183 / 2019.11]
- 第11回科学技術予測調査 2050年の未来につなぐクローズアップ科学技術領域―AI関連技術とエキスパートジャッジの組み合わせによる抽出・分析―[調査資料-290 / 2020.6]
- 第11回科学技術予測調査 科学技術の発展による2040年の社会-基本シナリオの検討-[調査資料-291 / 2020.6]
- 第11回科学技術予測調査 デルファイ調査[調査資料-292 / 2020.6]
- 第11回科学技術予測調査 科学技術や社会のトレンド把握[DISCUSSION PAPER No.183/ 2020.6]
- 第11回科学技術予測調査 2040年に目指す社会の検討(ワークショップ報告)[調査資料-276 / 2018.9]
- 科学技術予測の半世紀と第11回科学技術予測調査に向けて[STI Horizon, Vol.4, No.2 / 2018.6]
- ST Foresgiht 2019(速報版)の概要-人間の再興・再考による柔軟な社会を目指して-[STI Horizon, Vol.5, No.3 / 2019.9]
- 2040年の科学技術と社会について考える~ビジョンワークショップ開催報告~[STI Horizon, Vol.4, No.2 / 2018.6]
- デルファイ調査の概要-科学技術発展の中長期展望-[STI Horizon, Vol.5, No.4 / 2019.12]
- 未来につなぐクローズアップ科学技術領域-AI関連技術とエキスパートジャッジを組み合わせた抽出-[STI Horizon, Vol.5, No.3 / 2019.9]
- 基本シナリオ-科学技術の発展により目指す社会の姿-[STI Horizon, Vol.5, No.3 / 2019.9]
- 令和3年版 科学技術・イノベーション白書 第1部第4章第3節「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた科学技術の発展の展望」
- 令和2年版 科学技術白書 第1部第2章「2040年の未来予測-科学技術が広げる未来社会-(Society 5.0)」
- 令和2年版科学技術白書 ポスター
- 2050年カーボンニュートラルに資する基盤的科学技術に関する予測調査[調査資料-338 2024.3
- 地域の目指す未来社会とカーボンニュートラル[調査資料-334 2023.12]
- 科学技術の中長期展望に対する評価 -デルファイ調査で取り上げた科学技術の20年後-[調査資料-330 2023.8]
- 地域の未来を再考する -新型コロナウイルス感染症流行後に目指す社会及びその実現に向けた方策の検討-[調査資料-319 / 2022.10]
- コロナ禍を経た科学技術の未来-第11回科学技術予測調査フォローアップ-[調査資料-309 / 2021.4]
- 第11回科学技術予測調査における実現見通しの回答者所属・年代別比較分析[DISCUSSION PAPER No.194 / 2021.4]
- 科学技術イノベーション政策関連シンクタンクの専門家ワークショップによる研究開発領域抽出[調査資料-299 / 2020.9]
- 第11 回科学技術予測調査におけるバックキャストとフォーキャストの比較分析[Discussion Paper No.188 / 2020.8]
- SDGsの達成に資すると考えられる将来の科学技術の試行的探索[Discussion Paper No.184 / 2020.6]
- 第11回科学技術予測調査[3-1]未来につなぐクローズアップ科学技術領域-AI関連技術とエキスパートジャッチの組み合わせによる抽出の試み-[DISCUSSION PAPER No.172 / 2019.7]
- 科学技術予測のためのウェブ双方向性機能強化に関する調査[調査資料-267 / 2017.12]
- 地域の特徴を生かした未来社会の姿~2035年の「高齢社会×低炭素社会」~[調査資料-259 / 2017.6]
- 予測オープンプラットフォーム開発に向けた取組 [NISTEP NOTE No.22 / 2016.8]
- 第10回科学技術予測にみる人工知能・情報技術が切り拓く未来[調査資料-252 / 2016.8]
- 第10回科学技術予測調査分野別科学技術予測の詳細分析-デルファイ法による意見収れんの検証-[Discussion Paper No.135 / 2016.3]
- 世界のフォーサイトの動向 – 政策のためのフォーサイトに向けて – [調査資料-332 / 2023.11]
- 世界のフォーサイトの動向 – コロナ禍の影響と今後の活動 – [調査資料-320 / 2022.10]
- 将来のサーキュラーエコノミー社会のためのフォーサイト~日本-フィンランド共同プロジェクト~ [調査資料-300 / 2020.11]
- 第8回予測国際会議「未来の戦略構築に貢献するための予測」開催報告 [調査資料-275 / 2018.9]
- 「減災・高齢社会の未来」シナリオの検討-第7回予測国際会議 ワークショップ開催報告- [NISTEP NOTE No.20 / 2016.7]
- 「水とともにある未来」シナリオの検討-国際ワークショップ報告 [NISTEP NOTE No.18 / 2016.2]
- 専門家が注目する科学技術に関するアンケート調査(NISTEP注目科学技術2023) [調査資料-336 / 2024.2]
- 専門家が注目する科学技術に関する調査(NISTEP注目科学技術2022) [調査資料-325 / 2023.2]
- 専門家が注目する科学技術に関する調査(NISTEP注目科学技術2020) [調査資料-315 / 2021.10]
- 人工知能分野及びロボティクス分野の国際会議における国別発表件数の推移等に関する分析 [Discussion Paper No.222 / 2023.5]
- 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)における 我が国のワクチン開発に関する課題と対策の抽出 [調査資料-308 / 2021.6]
- 脳科学の推進に向けた革新的計測技術の開発とAI等による解析の方向性―専門家ワークショップ検討結果― [調査資料-280 / 2019.2]
- 国際・国内会議録の簡易分析に基づく我が国の人工知能研究動向把握の試み[調査資料-253 / 2016.8]
- 米国における研究開発動向-公開情報スキャニングからの抽出[NISTEP NOTE No.17 / 2016.2]
- arXivに着目したプレプリントの分析[Discussion Paper No.187 / 2020.8]
- COVID-19 / SARS-CoV-2 関連のプレプリントを用いた研究動向の試行的分析[Discussion Paper No.186 / 2020.6]
- 研究データ公開と論⽂のオープンアクセスに関する実態調査2018[調査資料-289 / 2020.5]
- オープンサイエンスの社会課題解決に対する貢献-マルチステークホルダー・ワークショップによる予測-[Discussion Paper No.163 / 2018.11]
- 研究データ公開と論文のオープンアクセスに関する実態調査[調査資料-268 / 2017.12]
第11回科学技術予測調査
[報告書]
[概説レポート]
[科学技術・イノベーション白書]
「デルファイ調査検索」へ
科学技術予測調査の一環で、科学技術の中長期発展の方向性を調査する「デルファイ調査」を実施しました。「デルファイ調査検索」では、2050年までの実現が期待される702の科学技術トピックについて専門家による見通しを知ることができます。また、第1回調査(1971年)から第11回調査までのすべての結果を検索することができます。
科学技術予測に関するその他の調査研究
5年ごとの大規模調査結果をもとにした発展的分析、対象分野を特定した予測調査や新手法の検討などを行っています。
科学技術予測に関する国際的活動
各国関係機関との国際共同研究の実施、科学技術予測の今後の方向性等についての各国専門家との意見・情報交換を行っています。また、海外の関係機関等への講師やアドバイザー等の派遣も行っています。
科学技術予測関連の報告書一覧へ
科学技術予測調査、科学技術予測に関するその他の調査研究、科学技術予測に関する国際的活動について取りまとめた過去の報告書を御覧いただけます。
科学技術予測関連の概説レポート一覧へ
科学技術予測調査、科学技術予測に関するその他の調査研究、科学技術予測に関する国際的活動、国内外の予測活動などについて概略を紹介したレポートを御覧いただけます。
ライブラリ(調査研究成果一覧)へ
科学技術動向
各分野・領域の科学技術の研究開発の方向性の変化、今後取り組むべき研究開発課題、科学技術システム諸要素の現状や問題点などについて、調査分析を行い、成果を発信しています。実施に当たっては、自ら情報収集・分析を行うとともに、専門家を招いての講演会開催、科学技術予測・政策基盤調査研究センターが運営する科学技術専門家ネットワークの利用等、外部専門家と協力しています。
「科学技術専門家ネットワーク」へ
科学技術予測・政策基盤調査研究センターでは、2000人規模の「科学技術専門家ネットワーク」を運営し、科学技術に関するアンケート調査などを行っています。各領域で高い専門性をお持ちの方のご協力を求めています。
調査研究成果
ホライズン・スキャニング
NISTEPのホライズン・スキャニングは、体系的かつ継続的なモニタリングと定量的・定性的分析を通じて、将来社会に大きなインパクトをもたらす可能性のある新たな動きをエビデンスベースで見出し、潜在的な機会やリスクを把握する活動です。
<注目科学技術>
各分野の専門家が現在注目している科学技術に関する情報を収集し、キーワード分析を行っています。
<分野別動向>
分野やテーマを絞って定量的・定性的手法により動向分析を行っています。
<個別科学技術動向>
科学技術の新しい動きを事例的に取り上げ、現状や将来可能性などの概要を取りまとめています。詳細は、「ホライズン・スキャニングレポート」のページをご覧ください。
<手法>
科学技術動向関連の報告書一覧へ
科学技術や研究活動の動向について取りまとめた過去の報告書を御覧いただけます。
ホライズン・スキャニングレポート一覧へ
オープンサイエンスに関する調査分析
研究データを中心とする研究成果の利活用を促進し、科学のデジタルトランスフォーメーションとイノベーションを加速するオープンサイエンス政策に資する調査分析を行っています。
ライブラリ(調査研究成果一覧)へ
関連するリンク
現在、関連するリンクはありません。